©︎Yuri Turkov/shutterstock.com
マドリードの中心に位置する「サンミゲル市場」は、1916年5月に生鮮食品卸売市場としてオープン。市内では数少ない鋳鉄建築の傑作として、100年以上の歴史を誇ります。2009年5月にマドリード初のガストロノミー・マーケットとしてリニューアルされ、2018年には市場内の大部分が補強されました。
お土産としてチェックしておきたいチーズや瓶詰めなどの食料品だけではなく、ワインやタパスを楽しめるバルもあり、その場の雰囲気を味わいながら食事ができるのも魅力。店舗は30店以上あります。朝10時から深夜まで毎日オープンしているので、昼夜を問わず立ち寄ることができますよ。グルメ好きなら半日、サクッと食べ歩きをするなら1~2時間くらいの時間で回れます。
名称|サンミゲル市場(Mercado de San Miguel)
営業時間|日~木曜 10:00~0:00、金・土曜・祝前日 10:00~1:00
アクセス情報|メトロ2、5号線オペラ駅から徒歩5分、メトロ1、2、3号線ソル駅から徒歩8分
所在地|Plaza de San Miguel, s/n 28005 Madrid
1. 生ハム「ハモン・イベリコ」
イベリア半島の在来種の黒豚の後ろ足を塩づけし、長期熟成した後に乾燥して作られる生ハム「ハモン・イベリコ」。国の厳しい基準を満たしたイベリコ豚の、深い風味と品格を感じさせる味わいが特徴です。
2.タパス各種
バーで飲み物と一緒につまめる、スペインならではの小皿料理タパス。ピクルスやオリーブなどのシンプルなものから、ミニコロッケや小魚のフライなど調理されたものまでスペインならではの味がたくさん。
3.パエリア
スペイン東部バレンシア州発祥で、スペイン各地で食べられている「パエリア」。サフランの風味が効いた炊き込みご飯のような料理です。日本では海鮮入りがよく知られていますが、実は鶏肉やウサギ肉、イカ墨を使用したものなど、いろいろな種類がありますよ。
4.スペインオムレツ(トルティージャ)
スペインの家庭料理の定番として知られる、伝統的なジャガイモ入りのオムレツ「トルティージャ」。子どもから大人まで人気の高いメニューで、バゲットでサンドイッチにして食べるのも絶品です。
5.スペインのオリーブの詰め合わせ
ローマ時代からオリーブオイルの一大産地として知られるスペインでは、オリーブの酢漬けも大人気。ヘルシーなスペインの定番おつまみで、オリーブの品種もたくさんあるので、お気に入りを見つけてください。
6.チーズ盛り合わせ
フランスやイタリア、スイスといったヨーロッパ各地の有名なチーズをはじめ、スペインならではのチーズも見つけることができます。せっかくなら「マンチェゴ」や「テティーリャ」など、スペイン産のチーズを味わってみましょう。
7.シーフード料理
©︎FreeProd33 / Shutterstock.com
特に地中海沿岸で親しまれている魚の南蛮漬けのような料理「エスカベチェ」や、ペルー発祥でスペインで人気の高い魚介類のマリネ「セビーチェ」といった魚料理も豊富。
8.ガスパチョ
スペイン南部のアンダルシア地方で暑い夏を乗り切るために生まれたとされる、トマトをベースにした冷たいスープ「ガスパチョ」。ビネガーが効いたさっぱりとした味わいが特徴です。
9.デザート
世界で愛される棒状の揚げパン「チュロス」やカスタードプリン「フラン」など、スペインならではのスイーツもたくさん。ホットチョコレートなどの甘い飲み物も人気です。
10.ドリンク系
スペインのアルコール飲料と言えば、フルーツやスパイスなどを漬け込んだ、風味高いワインカクテル「サングリア」やスペイン産スパークリングワイン「カバ」。最近は若者層から支持を集めるローカルビールも種類が豊富です。
©︎EduBFoto / Shutterstock.com
良質なスペインワインと共に、生ハム&チーズを楽しめるワインバー。
必食:スペイン固有のブドウ品種で造られるリオハ産赤ワインと「ハモン・イベリコ」のマリアージュは絶品!
名称|ザ・ピンクルトン・アンド・ワイン(The Pinkleton & Wine)
マドリード市内にある有名レストランが手がけるタパスバー。美しく盛り付けられた洗練された料理が魅力。
必食:牛ほほ肉の赤ワイン煮込みやトリュフ入りスクランブルエッグ
名称|アルサバル・マーケット(Arzábal Market)
営業時間|日~木曜 10:00~0:00、金~土曜 10:00~1:00
香りが高く、脂がとろけるイベリコ豚のみを扱う老舗の生ハム専門店。
必食:ベジョータ(最上級イベリコ)生ハムのスライス
名称|カラスコ・ギフエロ(Carrasco Guijuelo)
新鮮な魚介類を提供する人気のシーフード専門店。バルスタイルで気軽に楽しめます。
必食:タコのガリシア風(Pulpo a la Gallega)や海老のグリル
名称|エル・セニョール・マルティン(El Señor Martín)
©︎Omaly Darcia / Shutterstock.com
スペインを代表するチーズといえば「マンチェゴ」。羊乳特有の優しい甘さが特徴のセミハードタイプのチーズで、スペイン産のワインとも相性抜群です。美食の地域バスクを代表する「イディアサバル」やガリシア地方の「サンシモン」といったチーズも。
お土産にするなら移動時間やスーツケースに入れることも考慮すると、クリームタイプよりハードまたはセミハードのチーズがおすすめです。
スパイスは個包装になっていて軽いので、みんなに分けるお土産にぴったり。スペイン料理に欠かせない香辛料といえば「パプリカパウダー」で、甘口と辛口があります。また、サフランやニンニク、パプリカ、米粉、サフランエキス、ローリエなど必要な香辛料やハーブが入った「パエリアの素」もスペインらしいお土産の代表格です。
生産量が世界1位を誇り、スペイン人の生活に欠かせない食材、オリーブオイルもお土産に人気。但し、100mlを超える液体は機内に持ち込めないので、必ず預け荷物としてスーツケースに入れて持ち帰りましょう。
小型の赤ピーマンの酢漬けの「ピキーリョ」やオリーブのピクルスなど、瓶詰めの食料品も多くあります。新鮮な果物はお土産に持って帰れませんが、そんな時は瓶詰めのジャムがおすすめ。
パッケージも可愛いので友達に渡すお土産にも最適です。瓶詰めの製品も液体とみなされるので、持ち帰る際は預け荷物に入れてくださいね。
ヨーロッパで最初にカカオを持ち込んだとされるスペイン。スペイン人は蜂蜜を入れて調理し、そこからチョコレートの文化が広がったのだとか。歴史の深いスペイン産のチョコレートも市場で見つけることができます。板チョコや一口サイズなど個包装のものはお土産にぴったり。
古くからワイン生産国としても知られているスペインには、赤・白・ロゼワインのほかスパークリングなど、さまざまな種類が揃います。フルーティな味わいや、辛口、コクのあるものなど自分の好みを店員さんに伝えて相談しながら選ぶのも楽しいですよ。
ワインなどのアルコール飲料を日本に持ち帰る際は、1人につき760mlのボトル3本(合計2,280ml)までが免税範囲です。それ以上は課税対象になるのでその際は申告を忘れずに。
肉製品は海外から日本に持ち込みはできません。冷蔵、冷凍、加熱調理済みの加工品、真空パックなど、いかなる形態のものでも動物検疫の対象になり、違反すると空港で没収されたり罰金が課せられます。
チーズはどのような種類であっても、携帯品(手荷物や預け荷物、又は別送品)としてであれば、海外からの持ち込みは可能です。但し、「販売又は営業目的、もしくは1人10kgを超えるもの、飼料用の場合は検査証明書の取得が望ましい」とされています。
ウォッシュタイプなど熟成の強いチーズやフレッシュチーズは夏は傷みやすく匂いも強いので、持ち運びの温度を気をつけたり真空パックにするなどケアすることをおすすめします。
参照:農林水産省動物検疫所
https://www.maff.go.jp/aqs/topix/dairy_products.html
「サンミゲル市場」は、時間帯によって混雑状況が違います。訪れる際の参考にしてください。
午前中(10:00~12:00): 比較的空いていて快適
夜(21:00以降):混んでいるが、地元の雰囲気も楽しめる
避けたい時間帯:昼食時間帯(13:00~15:00)とディナー前後(18:00~20:00)は特に混雑
©︎FreeProd33/shutterstock.com
「サンミゲル市場」で食事をする際は、基本的に立ち食いスタイルです。座れる席は限られており、ほとんどがカウンターテーブルで立ったままサクッと食べるイメージ。
買い物をした店舗の前にあるカウンターを使う場合がほとんどですが、空いていればどのカウンターでもOK。譲り合いの意識を持って食べたら次へ、というのがスマートな楽しみ方です。
会計は各店舗で買い物する毎にその場で支払います。現金とカード、どちらも使えるお店が多いですが、スリ対策としてさっと払えるカードをおすすめします。
英語メニューが用意されている店も多いですが、食べたいものを指で差して注文しても大丈夫です。チップは基本的に不要ですが、募金箱がレジに置いてあるお店も。
市場内のトイレは有料(0.50€、2025年現在)ですが、店舗で買い物をすれば無料になります。トイレの場所が分かりにくいときは、スタッフに「¿Dónde está el baño?(ドンデ・エスタ・エル・バーニョ?)」と聞いてみてください。
トイレが混雑している時は、近隣のカフェやレストランで何か注文すればトイレを利用できます(コーヒー1杯の注文で問題ありません)。
観光客が多く集まる場所のため、くれぐれもスリにはご注意を! リュックやショルダーバッグは前掛けスタイルで持ちましょう。テーブルや椅子に荷物を置いたままにするのも禁物です。混雑時には特に、スマホを手に持ったまま歩かない、など充分に警戒してくださいね。
市場内は石畳なので、歩きやすい靴でお出かけください。夏はかなり暑くなるため、こまめな水分補給を。冬は屋内でも少し寒いので、羽織れるものがあると安心です。
本場スペインの味を一気に味わえるガストロノミーの殿「サンミゲル市場」。周辺には、マヨール広場や王宮などの観光名所もあるので、セットで観光するのもおすすめです。